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2023.11.29 子ども・学校問題

学校の休憩中の事故

学校の休憩中の事故

休憩時間の事故

休憩時間がその後の教育活動が予定されている時間帯であって、教育活動と質的、時間的に密接な関係性を有しているものである以上、安全配慮義務を教師は負うと考えられ、休憩時間における事故についても学校が責任を負うことになります。
安全配慮義務の内容を考える際に、危険発生の具体的予見可能性とその存在を前提に発生する具体的注意義務の内容を明らかにする必要があります。休憩時間という特殊性を踏まえ、多くの裁判例では、児童の年齢・学年、児童の平素の性格、学校での素行等に鑑み事故を招く危険性を内包していたか、加害児童・生徒と被害児童・生徒との平素の関係、器物を用いた自己の場合は、その器物で遊ぶことの予見可能性・危険発生の可能性の有無等の様々な事情を考慮し、何らかの危険を予見することができたか、さらには教師に具体的注意義務が発生するか否かを判断しています。

休憩時間は、児童・生徒が自由に行動をする時間であることから、原則として教師は立会い・監視義務を負わないと考えられます。しかし、日常的に事故に発展する可能性がある遊び等を児童・生徒が行っていたりするなど、教師に事故発生の予見可能性があったような場合には教師の立会い・監視義務が発生すると考えられます。

放課後の事故

正規の授業が終われば児童・生徒は下校することが通常であり、放課後に起きた事故についても学校が責任を負うのかが問題となります。放課後に敷地内で起きた小学校6年生同士のけんかによる傷害事件において、大阪地裁は「学校敷地内での出来事であるとはいえ、放課後しかも教職員の目を盗んで行われたけんかに起因するもので……もはや校長や教論の監督に及ぶかぎりではない」とし、教師の責任を否定しています。そのため放課後における事故については、学校は極めて特別な事情のない限り責任を負わないと考えられるでしょう。

通学中の事故

各学校が、児童生徒の通学の安全の確保と教育的環境維持のために指定している道路のことを通学路といいます。学校は、児童生徒等の安全の確保のため、通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する計画(学校安全計画)を策定し、実施する義務を負っています。各学校は、学校安全計画に基づき、児童・生徒等に対する通学路における安全指導を行うこととするとともに、警察やボランティア団体などの地域の関係機関・関係団体等との連携に努め、また防犯教室や交通安全教室の開催、避難訓練の実施、通学路の危険個所を示したマップの作成などの通学路における児童・生徒等の安全を図るため適切な対応をとることが推奨されています。

文部科学省は、旧文部省時代から通達によって、児童・生徒の通学中の安全保持について行政指導を行っており、これに基づいて各自治体は、暴風雨などの際の指導措置についての通達を行っています。暴風雨、大雨、地震などの災害時に登下校させる時には、その登下校に伴う危険が予測され、場合によって学校は、児童・生徒の登下校路の危険性を判断し、安全な迂回路を指示したり、職員が付き添うなど、事故防止の措置をとることも必要となってきます。しかし、危険が予測できたにもかかわらず、かかる措置をとらず、そのため危険な通学路で事故が起きた場合には、道路の設置管理者の責任とは別に学校側も全線確保義務違反による責任が問われることもあります。また、教師や保母が児童・園児を引率していたところ、引率の方法に過誤があれば、学校側が責任を負うことがあります。

学校でのお悩みを抱えてる方は、半田みなと法律事務所へご相談くださいませ。