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2024.05.15 遺産相続・成年後見

贈与税の配偶控除

贈与税の配偶控除

長年連れ添った配偶者に、自宅を贈与した場合には、2,000万円までは非課税とされます。基礎控除額110万円と合わせると2,110万円までは贈与税がかかりません。この特例を「贈与税の配偶者控除」といいます。贈与税の配偶者控除を受けるには、以下のすべての要件を満たしている必要があります。

  • 婚姻期間が20年以上であること
  • 住宅または住宅を取得するために金銭の贈与であること
  • 翌年3月15日までに居住し、その後も引き続き居住すること
  • 同じ夫婦間で、この特例の適用を受けたことがないこと
  • 戸籍謄本など一定の書類を添付して、申告すること

また、相続人に対する相続開始前3年以内の贈与財産は、相続財産に加算されることになっていますが、この特例を受けた贈与は、相続開始前3年以内贈与であっても、相続財産に加算されません。

贈与税の配偶者控除は、相続税の節税対策の一つの手段?!

贈与税の配偶者控除は節税対策になる。しかし、必ず節税になるかといえば、そうではありません。例えば、将来、贈与した本人が死亡した場合において、相続財産が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下の時は、相続税はかかりません。相続税の節税が目的であれば、そもそも相続税がかからないわけですから、わざわざ生前に配偶者に自宅を贈与する必要はないことになります。ただし、相続によって争いが起こるかもしれない場合において、生前に配偶者に自宅を譲っておきたいという事情があれば、贈与税の配偶者控除を利用することを検討すべきです。

自宅の土地や建物の名義変更

自宅の土地や建物の名義変更をするには、不動産取得税、登録免許税、登記手数料がかかります。このうち、不動産取得税は相続で取得した場合にはかかりませんが、贈与で取得した場合にはかかります。登録免許税は、相続の場合には固定資産税評価額の0.4%で済みますが、贈与の場合には固定資産税評価額の2%と高くなります。

相続税には配偶者の税額軽減という制度がある。

配偶者は1億6,000万円まで相続税がかかりません。したがって、自宅を贈与しようとする方が、将来死亡した時に相続税がかからない場合はもちろん、財産額が1億6,000万円以下の場合にも、贈与ではなく相続で配偶者に自宅を渡す方が有利です。ただし、もともと配偶者が財産を多く所有している場合には、贈与によって配偶者の財産が増加してしまいます。そうなると、配偶者の相続の時に、相続税が増加してしまいます。したがって、配偶者の年齢にもよりますが、配偶者の相続時に納めることになる相続税を計算した上で、配偶者に自宅を贈与するかどうか、決めなければなりません。

ただ、将来自宅を売却する予定がある場合には、贈与をしておくと有利になる場合があります。自宅を売却した場合には、譲渡所得から3,000万円の特別控除を行うことができます。贈与税の配偶者控除を利用して不動産を共有名義にしておけば、その不動産を売却した時は、夫婦2名分の特別控除6,000万円(3,000万円×2名分)を利用することができます。3,000万円の特別控除の特例は、土地の場合、家屋とともに譲渡する土地に限られるため、土地建物両方を贈与しておくことが必要になります。

相続でお悩みの方は半田みなと法律事務所までお気軽にご相談くださいませ。