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2023.04.19 労働問題(個人)

残業代

残業代

「残業代」と言われるものにはどんなものがあるのか、解説していきます。

残業代とは

残業代には、時間外労働に係る割増賃金、休日労働に係る割増賃金、深夜労働に係る割増賃金があります。時間外労働に係る割増賃金には、1日当たりの時間制限を超える時間外労働に係る割増賃金と、1週間当たりの時間制限を超える時間外労働に係る割増賃金が含まれています。
時間労働及び休日労働は、いずれも法定の労働時間の枠を超える労働であるという「時間数」に着目して割増賃金の支払いを必要とします。それに対し、深夜労働は、深夜という特定の時間帯に労働させるという労働の「質」に着目して割増賃金を支払うべきであるとしています。このように、時間外労働及び休日労働に係る割増賃金と深夜労働に係る割増賃金とでは性格に違いがあることが分かります。
時間外労働、休日労働、深夜労働といった特別の労働に対する労働者への補償を行うため、また、労働時間の例外をなす時間外労働・休日労働について割増賃金の経済的負担を課することによってこれらの労働を抑制するため、割増賃金に係る制度が設けられています。

割増賃金の基本的な割増率

時間外労働

時間外労働については、通常の労働時間または労働日の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払うことになります。法定労働時間である1日当たり8時間の時間制限を超える労働、または、法定労働時間である1週間当たり40時間の時間制限を超える労働が対象となります。管理監督者などの一定の事業・業務に従事する者の場合は、この労働時間の規制は適用されません。また、2023年4月より、時間外労働の時間が1か月について60時間を超えた場合は、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払うことになります。

休日労働

休日労働についての割増率は3割5分以上となっています。ここでいう休日は法定休日のことを指し、法定外休日における労働の場合には、規制の対象となりません。

深夜労働

深夜労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の割増賃金を支払うことになり、深夜労働とされる労働時間は、午後10時から午前5時までとなります。深夜労働については、時間外労働や法定休日労働でなく、所定労働時間内の労働が深夜に及んだ場合においても割増賃金を支払う必要があり、管理監督者についても支給する必要があります。

割増賃金が重複した場合の割増調整

時間外労働と休日労働が重複した場合

時間外労働と休日労働は、いずれも法定の労働時間の枠を超える労働という時間数に着目し、割増賃金を支払うべきことを規定するものであります。そのため、休日労働が8時間を超えたとしても、割増率が合算されることはなく、休日労働に係る割増率である3割5分のみを適用した割増賃金を支払うことになります。

休日労働と深夜労働が重複した場合

休日労働は労働という時間数に着目したものであるのに対し、深夜労働は深夜という特定の時間帯に労働させるという労働の質に着目し、割増賃金を支払うべきことを規定するものであります。そのため、休日労働と深夜労働が重複した場合の割増率は、休日労働に係る割増率と深夜労働に係る割増率の両方が適用されることになり6割以上となります。

時間外労働と深夜労働が重複した場合

休日労働と深夜労働が重複した場合と同様に、時間外労働と深夜労働では、それぞれに係る賃金割増の性格が異なるため、時間外労働に係る割増賃金と深夜労働に係る割増賃金の両方が適用されることになり、割増率は5割以上となります。また、時間外労働の時間が1か月について60時間を超えた場合、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の7割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うことになります。

半田みなと法律事務所では、残業代についてのご相談をお受けしております。お気軽にご相談くださいませ。