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2022.12.25 企業法務

契約書の法規制の確認

契約書の法規制の確認

契約書

契約書は取引に関わる紛争が生じた場合の重要な解決の指針となるものであり、適切な内容の契約書を締結することは、紛争を予防し又は紛争が生じた際の損害の発生若しくは拡大を防ぐための有効な手立てとなります。契約書は解約当事者間の合意の内容を文章化したものであり、どのような合意が「妥当」であるかは、その取引の実情によって大きく異なります。契約書をチェックする際は、第一に、その契約または契約書が抱える法的なリスクを認識し、そのリスクの程度やそのリスクを甘受すべきか否かについての分析、評価または検討をすることが必要です。また、契約締結の背景や趣旨、契約書の提示に至るまでに既に合意に至っている事柄、契約書についての具体的な事実関係をチェックする必要があります。

◆主なチェック項目例としては以下があげられます。

  • 相互の条文または同時に締結する複数の契約書間に矛盾がないか
  • 多義的な用語が安易に用いられていないか
  • 相手方に一方的な選択権を与える条件がないか
  • 要件のみが意識され、効果が意識されていない条件がないか
  • 同種の他の取引条件に比して著しく不利な条件がないか
  • 業法や強行法規に違反するおそれはないか

IoTにおける法規制

一般的に新しいビジネを立ち上げる場合、そのビジネスに関連する法規制がないかという点に留意する必要があります。特に、IoTにおける法規制を考える場合は、その特殊性に考慮する必要があります。IoTはデバイス同士がインターネットを介してつながるセービスであり、近年の技術革新により可能となった新しい概念であります。IoTを利用したビジネスにおいては、以下のような法規制への適合性を検討する場面が多数あることから、そのチェックにも細心の注意が必要となります。

製品の製造販売の場面

  • 電気用品安全法

電気製品の安全性確保に関する法令としては、電気用品安全法があります。「電気用品」として定められている製品を製造販売する場合には、届出義務・PSEマークの表示義務が課されています。具体的には、コンセントに接続するような家電製品の多くはその適用を受けると考えてよいでしょう。

  • 電波法

無線通信に関する法令としては、電波法があります。IoTのデバイスの無線通信には、Wi-Fi、Bluetooth等を利用することが考えられるが、これらの無線通信は特定無線設備として、技適マーク(法に基づく技術基準に適していることを示すマーク)の表示があれば免許の取得が不要とされています。

  • 家庭用品品質表示法

消費者が日常使用する家庭用品を対象とする法令としては、家庭用品質表示法があります。家庭用品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるようにされています。

  • 消費者生活用製品安全法

消費生活用製品に関する法令としては、消費生活用製品安全法があります。事前の届出と製品検査、重大な製品事故が発生した場合の報告義務が規定されています。

  • 知的財産に関する法律(特許法、実用新案法、商標法、意匠法、著作権法)

他社の知的財産を侵害する製品を製造・販売してしまった場合、製造・販売の中止や損害賠償請求を受ける等のリスクがあります。特に、IoTデバイスの製造・販売においては、特許権、実用新案法、商標法、意匠法、著作権法を侵害しないかどうかのチェックが必要です。

  • 製造物責任法

IoTデバイスに欠陥がある場合、被害者保護を目的とした法令としては、製造法責任法があります。製造物の「欠陥」により人の生命、身体又は財産に被害が生じた場合には、製造業者等が損害賠償責任を負うものとされています。

その他、ウェブサービスの提供の場面では、特定商取引法、電気通信事業法があります。また、インターネットを利用したサービスを提供するにあたり、利用者から個人情報(氏名、住所、生年月日等)の提供を受ける場合には、個人情報保護法を遵守する必要があります。

半田みなと法律事務所では、契約書の内容を法律の視点からチェックを行いアドバイスをさせて頂きます。顧問契約をしていない企業様のご相談もお受けしておりますので、お気軽にご連絡くださいませ。