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2023.11.27 交通事故・労災

交通事故と労災保険

交通事故と労災保険

交通事故の保険というと

自賠責保険か対人社(加害者側の対人賠償保険会社)のことを考えますが、他にも、人身傷害保険、健康保険、労災保険とさまざまな保険があります。もし交通事故の被害に遭った場合には、適切な保険を利用することが重要です。

労災保険

労災保険とは、労働者が業務上の事由または通勤が原因で負傷した場合等に、被災労働者を保護するために必要な保険給付を行うものです。具体的には、療養補償給付(治療費)、休業補償給付(休業損害)、後遺障害等級に応じた給付(障害補償年金、障害補償一時金)が主なものです。基本的に労働者を一人でも雇っている事業主は、この労災保険に入っていなければなりません。また、労災保険が適用される場合には、健康保険は使用できないことも注意が必要です。
労災保険は、労災事案に使われる保険であるので、会社としては労災事案が生じていることは隠しておきたいと考えます。そのため、会社に、「健康保険で通ってくれ」「労災は使わない」などと言われる場合がもしあれば、労災保険を使うのは労働者の権利であることを心にとどめておきましょう。それでも、会社が労災対応を拒む場合は、労働基準監督署に相談をすることも可能です。

労災保険を使う場面

交通事故被害者の多くが最初に抱く不安は、加害者側保険による治療費・休業損害の支払い打ち切りに関するものです。この点、労災保険の制度は、労働者保護の趣旨から設けられたものですので、主治医がその必要性を認める限り、療養補償および休業補償の給付が簡単に打ち切られるということはありません。
また、被害者にも過失がある場合は、労災保険を利用するべきです。加害者側保険会社が医療機関へ治療費を支払う場合、一括で治療費全額を病院へ支払いますが、最終的な示談の段階で被害者の過失を控除します。そのため、治療期間が長期に及んだ場合や、手術・入院を伴う場合など治療費が高額となるケースでは、最終的に過失割合によって自己負担となる治療費が高額になってしまいます。結果、加害者側保険会社に支払ってもらった治療費の自己負担部分も高額となり、本来もらえるはずの慰謝料がほとんどもらえなくなってしまうケースも少なくありません。このような事態を避けるために、労災保険を利用して、1点当たりの診療報酬を安くし、治療費を抑えるということが重要です。

治療期間中 症状固定までの注意点

1.証拠収集

労災保険の療養(補償)給付申請を行って治療する場合には、自賠責保険における被害者救済請求で必要な自賠責様式の経過診断書は作成されていない。そのため、主治医に別途作成してもらう必要があります。
また、診療報酬明細書は病院から労災保険に提出されているため、労働局に対して治療および調剤に関する個人情報開示の手続きを取り、これらの書類を取り寄せる必要があります。取り寄せのためには、支給決定を行った労働基準監督署がある都道府県の労働局長宛の保有個人情報開示請求書に必要事項を記載し、手数料の印紙を貼付して労働局の総務部に提出します。その後、情報の公開決定通知が届くので、その記載に従って交付手続きを行います。

2.リスク

労災保険には、治療費をある程度長くみてくれるなどのメリットがありますが、一方でリスクもあります。例えば、労災保険での治療が長期化したが、加害者側保険会は数か月しか治療を認めないような場合は、慰謝料の額や、労災保険からの求償を加害者側保険会社が拒否する等して、紛争することがあります。また、加害者側保険会社から、債務不存在確認訴訟を提起されると、自賠責保険は認定を止めることがあり、後遺障害をめぐって紛争が長期化することもあります。したがって、仮に労災保険での治療を選択する場合でも、治療終了日をいつにするかは、よく考えなければなりません。
※債務不存在確認訴訟:この場合、交通事故の加害者が損害賠償債務は自己の主張する金額を超えて存在しないという確認判決を求めて、被害者を相手として裁判所に訴えを提起する訴訟のこと。

お困りの方は、半田みなと法律事務所までご一報くださいませ。交通事故及び労災保険についてのご相談は、初回60分無料でお受けしております。また出張でのご相談も行っております。