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2025.03.12 交通事故・労災

派遣社員の労災事故

派遣社員の労災事故

労災保険は派遣社員も保障の対象

「派遣社員は正社員ではないから労災の対象にならない」というようなことを言われた場合には、それは誤りです。派遣社員は派遣元の会社に雇用されている労働者で、派遣元の会社が労災保険に加入しています。そのため、派遣先会社での業務上の事由や通勤によって怪我や病気となった場合には、労災保険給付を受けることができます。

派遣社員は長期の就労が想定されていないため、派遣先での安全衛生教育が不十分であることも多く、そのことから発生する労災事故も多いのが実情です。必要な補償を受けるために労災申請を行いましょう。

労災保険給付を受けるまでの流れ

労働災害・通勤災害が発生したら会社に連絡

最初に、会社(派遣元)へ連絡を入れましょう。ケガや病気の程度によっては先に病院に行く必要がありますが、落ち着いた段階で早急に会社へ報告します。

本来は会社が労災申請の手続きをしてくれますが、派遣社員本人が申請することも可能です。その際には会社の証明が必要な場合が多いので、まずは連絡を入れることが肝心です。

病院で医師の診察を受ける

ケガや病気が軽症であっても、早期に病院で診察を受けることが大切です。診察記録が途切れたままになってしまうと、後日「本当に業務や通勤が原因なのか証明できない」と言われる可能性があります。

労災指定医療機関であれば、窓口で医療費の立替なしに受診できるため、経済的な負担も軽減されます。

労災申請書を作成・提出

状況に応じて「業務災害」「通勤災害」など区別されるため、該当の申請書を用意し記入します。必要書類は厚生労働省のホームページからダウンロード可能です。

作成した書類は会社経由で提出してもよいですし、本人が直接労働基準監督署に提出してもかまいません。

労働基準監督署の調査・判断

申請後、監督署が業務との関連性や通勤中の事由があるかなどを調査し、支給・不支給の判断を行います。認定されれば、該当する各種給付が受けられることになります。

派遣社員が労災の申請をする場合の注意

労災隠し

派遣先・派遣元のいずれかが「労災として扱いたくない」と考えることがあります。これはいわゆる「労災隠し」と呼ばれる行為で、法律違反です。労災があった場合、会社は労働基準監督署に報告する必要があり、手続きが面倒であるほか、労災が多い場合には労災保険の保険料が上がることがあります。派遣の場合、派遣元会社・派遣先会社いずれも労働基準監督署に報告をする必要がありますが、これを嫌がった派遣先会社が派遣元会社に労災として申請しないように求めるケースがあるのです。労災隠しに協力すると労災保険給付が受けられなくなる恐れがあり、さらに会社側にも50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。労災として取り扱ってくれない、労災隠しに協力を求められているような場合には、弁護士にご相談ください。

派遣先・派遣元に原因があれば損害賠償をできる場合も

怪我や病気の原因が派遣先・派遣元の会社にある場合には、会社が安全配慮義務に違反したのとして、労災保険でカバーされていない損害について会社に対して請求することができます。例えば、不注意で怪我したといえる場合でも、会社が適切な安全対策や措置をとっていない場合には、安全配慮義務違反を問うこともできる場合がありますので、まずは弁護士に相談することをお勧めします。