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2023.03.09 子ども・学校問題

検察官送致

検察官送致

検察官送致

少年法は、少年の健全な育成という教育的理念に基づいて、少年の刑事事件について特別の措置をとることとしており、20歳に満たない少年が罪を犯しても、できるだけ刑罰によらず、保護処分という教育的手段によって更正を図ることを原則としています。
調査又は審判の結果、本人が20歳以上であることが判明した場合、家庭裁判所は、決定をもって、事件を管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければなりません。また、家庭裁判所における調査、審判は少年を対象としており、どの手続段階においても20歳未満でなければならず、決定時にも20歳未満でなければなりません。そのため、非行時や家庭裁判所送致時に20歳未満であっても、審判の時に20歳になっていれば、年齢超過による検察官送致の決定がなされます。

逆送

少年法は保護優先主義を定めていますが、一定の重大な罪を犯した少年については、原則として検察官送致の決定をすべきことを定めており、検察官送致決定のことを実務上「検送」又は「逆送」と呼んでいます。
平成12年の少年法改正に伴い、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であって、その罪を犯すときに16歳以上の少年にかかるものについては、検察官送致の決定をしなければならないとの規定が設けられました。これは、16歳以上の少年について、故意の犯罪行為により人を死亡させるような重大な罪を犯した場合には、その犯罪の反社会性や反倫理性が高いため、刑事処分の対象となるという原則を明示することにより、社会生活における責任と自覚させ、健全な育成を図るために設けられたものです。

起訴強制とみなし勾留

家庭裁判所が刑事処分を相当として意見を検察官に送致したときは、検察官は、家庭裁判所から送致を受けた事件について、控訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、控訴を提起しなければなりません。(起訴強制)検察官は、犯罪の嫌疑の有無については、家庭裁判所の判断に拘束されることなく、改めて捜査の上、独自に判断することができます。そのため、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑が認められない場合には、検察官は、嫌疑なし又は嫌疑不十分として不起訴とすることができます。
検察官送致がなされると、成人と同様に刑事訴訟法に従って裁判手続が進められることになり、この場合の観護措置は裁判官のした勾留(みなし勾留)とみなされます。みなし勾留の期間は、10日間で、検察官が事件の送致を受けた日から起算されます。この勾留期間の延長は、家庭裁判所送致前に勾留状が発せられている場合、延長は認められません。

起訴後の審理

検察官が起訴した後は、基本的に成人の刑事事件と同様の手続で事件が審理され、判決が言い渡されます。
少年に対する刑事事件の審理は、懇切を旨とするとともに、少年等の性格、環境等に関する科学的調査の結果を活用することが求められており、家庭裁判所の取り調べた証拠は、努めてこれを取り調べるようにしなければならないとされています。

半田みなと法律事務所では、少年事件のご相談をお受けしております。お気軽にご相談くださいませ。