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Category遺産分割の協議
遺産分割協議
前提事項の確認
- 遺産分割について、まず、誰が話し合いをすべき当事者であるのか、すなわち、誰が相続人なのかを確認する必要があります。また、相続を望まない場合は、相続放棄等の手続きを取った上で、話し合いの場から離脱することになります。
- 相続人間で話し合うまでもなく分割方法が定まっている財産もありますので、どの財産の分け方について話し合いをしなければならないのかを確認する必要があります。
- 遺言書がある場合はその遺言内容に従って相続財産を分けることになり、内容次第では遺産分割協議自体が不要となることもあるので、遺言書の有無を確認する必要があります。
- 最近は海外在住のまま亡くなる場合もあり、そもそも日本法が適用されない可能性もあるほか、遺産分割協議の手続きについても特別の配慮が必要となります。
相続財産の範囲が確定したとしても、その相続財産をどの程度の金額の財産として評価するかについては別途検討する必要があり、不動産や有価証券については様々な評価方法があるため、特にこの点が重要となります。相続人、相続財産の範囲、相続財産の評価額が確定し、具体的相続分も確定したら、あとは相続財産をその具体的相続分に従って分配することになります。自宅が相続財産の大部分を占めているような場合には、具体的相続分に忠実に従った分配方法が困難なこともあり、工夫が必要となります(下記参照)。
遺産分割協議は、結論として相続人全員が納得できればそれで構わないのです。もしも相続人間で話し合いがまとまらない場合には、検討順序を無視して具体的な相続財産の分配方法のみを議論しても解決しません。その場合には、論理的な検討順序を意識しておくことが有用です。
相続財産が建物だけの場合
建物を各相続人で共有する方法
建物も相続財産に含まれるので、遺産分割の対象となり、建物のうちそれぞれの部屋を分筆して各相続人に相続するというのは、不可能ではないですが現実的ではありません。そこで、建物を相続分に応じて各相続人と共有とし、その旨の登記をすることが考えられます。しかし、その建物を賃貸したり、売却をしたりする場合に、その建物共有者の了解を得る必要があり、この方法は遺産分割の解決を後の世代に先送りしているに等しいので、一般的にはあまり望ましいものではないでしょう。
建物を売却し、金銭を分けて相続する方法
建物自体を分けることは現実的ではないので、建物を売却し、その金銭を各相続人が持分に応じて相続する方法です。この方法なら、遺産分割の解決を後の世代に先送りすることがありません。しかし、共同相続人の1人が反対してしまえば建物の売却はできません。さらに、売却すること自体に強い抵抗を感じる共同相続人も多く、誰かがその建物に居住していれば、その共同相続人が居住を失ってしまうというデメリットもあります。
相続人の1人が建物を相続し、他の相続人に金銭を払う方法
相続人の1人が建物すべてを相続し、その相続人が、他の相続人に対し、その相続人の相続分に応じた金銭を払うという方法です。この方法であれば、建物の持分を共有名義にすることもありませんし、建物を売却する必要もありません。相続人の1人が建物に居住している場合、この方法での解決を図ることが多いです。しかし、建物を相続した相続人が、他の相続人に対して、それぞれの相続分に応じた金銭を払わなくてはならず、金融機関から金銭を借りるなど、それだけの金銭の手当をすることができなければ、この方法をとることができません。
半田みなと法律事務所では、遺産相続のご相談をお受けしております。お気軽にご連絡くださいませ。