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2024.01.17 遺産相続・成年後見

生前贈与の準備と注意点

生前贈与の準備と注意点

贈与の準備

相続対策として、生前贈与が有効であることは多くの方が認識していることだと思います。しかし、現状が不明確なまま生前贈与してしまうと、かえって支払う税金が多くなってしまう可能性があります。そうならないためにも、財産状況や問題点の分析を行った上で生前贈与を実行することをおすすめします。具体的には、下記の手順で行っていくといいでしょう。

相続財産の調査・評価をする

相続財産の権利関係や利用状況の把握をし、預貯金や不動産、有価証券などの評価をしていきます。

相続税の試算・将来の予測

評価した相続財産に対する相続税額を計算します。その上で、贈与税の実質負担率と相続税の実質負担率を比べ、いくらまでなら生前贈与した方が有利になるかを検討していきます。

問題点の抽出

「相続財産の中に評価額が高いものはないか?」「資産運用が非効率なものはないか?」「相続税の納税資金はあるか?」など、財産状況を把握したからこそ見えてくる問題点をピックアップしていきます。

対応策の検討・実行

相続対策として効率的な生前贈与をすることはもちろんですが、納税資金の確保対策や資産運用効率化対策なども確認し、バランスの良い対策を計画・検証した上で相続対策を実行していきましょう。

贈与の注意点

贈与とは、財産を渡す側の「あげます」という意思と、受け取る側の「もらいます」という双方の合意に基づき、無償で財産を与えることを言います。その上で、以下の点に注意しながら、早いうちに生前贈与の計画を立てていくことが必要です。

少しずつ・長期間が基本

  • 一人だけでなく、数人に贈与する
  • 基礎控除をフル活用する
  • 相続税と贈与税の実質負担率を比較する

贈与財産

  • 将来値上がりする可能性のある財産を優先的に贈与する
  • 収益が発生する財産を優先的に贈与する
  • 登録免許税など、付随費用を考慮する
  • 株式などで必要以上に値下がりしているものを贈与する

受遺者

  • 子より孫へ贈与する
  • 安易に配偶者に贈与しない

    証拠資料

  • 贈与契約書を作成する
  • 贈与税の確定申告をする

    連年贈与

  • 毎年同じ時期に100万円ずつ10年間にわたって贈与をした場合、1,000万円の贈与を分割で受け取る権利を贈与されたとみなされる可能性がある

    特例を利用する

  • 贈与税の配偶者控除を利用する
  • 住宅取得資金の非課税制度を利用する
  • 教育資金の非課税制度を利用する
  • 結婚・子育て資金の非課税制度を利用する
  • 相続時精算課税制度を利用する

    その他

  • 相続開始前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産に加算される
  • 贈与された財産は受贈者が管理する

死期が近づいてきてから計画を立てても、効果が限られてしまいます。そのため、生前贈与を行う場合には、その節税対策を最大限引き出すようにすることと、税務署に指摘されないようにしておくことの両方を考えなければいけません。

生前贈与をお考えの方は、お気軽に半田みなと法律事務所へご連絡くださいませ。