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2024.02.13 遺産相続・成年後見

孫への生前贈与

孫への生前贈与

孫への贈与は認められるのか

民法では、受遺者の制限を設けていません。しかし、成人に達しない子は、父母の親権に従うことになっています。親権を行う者はこの財産を管理し、その財産に関する法律行為について、その子の代理をします。ただし、その子が債務を負う場合には、本人の同意を得なければなりません。つまり、未成年者が父母の許可を得ることなく財産の贈与を受けても、その贈与された現預金や不動産の所有権を得ることは出来ません。(ただし、①親権者の同意がある、②未成年者が結婚していると、法律的な行為が認められて、未成年者でも所有権を得ることができます。)

これを踏まえ、未成年者へ贈与するには下記に注意しましょう。

現金を手渡しすることは避け、未成年者の預金口座を作って、その通帳に入金するようにしましょう。

  1. 未成年の子が、親から単純に預金などの贈与を受ける場合は、未成年の子は損にはならないので特別代理人を立てなくても贈与は成立することになります。
  2. 子が成人した時に、未成年の時期に贈与を受けた預金などを自分のものと認めれば、その預金は当然子のものとなります。未成年期間中にもらった預金などは、成人になった時点で子や孫に認識させることが大切です。
  3. 認識させた事実関係を証拠として残すために、「取引銀行」「届出の印鑑」「通帳などの保管者や場所」の管理状況を変えておくのも一つの方法です。
  4. 子や孫が未成年の場合、両親が特別代理人として、通帳と銀行印を管理します。贈与契約書には、子や孫の署名押印に加えて、親権者も署名押印しましょう。

以上のことから、未成年の孫に贈与する場合には、「いつ・誰に・何を」贈与したのかを、きちんと記録しておくことが大切です。

未成年の孫へ贈与する際の手順

  1. 双方の意思確認
    孫は未成年のため、親権者が代理で法律行為を行う
  2. 与契約書の作成・孫名義の通帳の作成
    贈与契約書には、あげる人・未成年者・親権者が署名押印する
  3. 孫名義の通帳へ入金し、親権者が印鑑や通帳を管理する
  4. 贈与税が110万円を超える場合、親権者が、孫の名前で贈与税申告する
  5. 孫が成人した時に、通帳や印鑑を本人に管理させる

孫への贈与はどれだけ有利か

孫へ贈与する最大のメリットは、相続税の「生前贈与加算制度」の対象外となることです、生前贈与加算制度とは、相続や遺贈により財産を取得した者が、被相続人からその相続開始3年以内に贈与を受けた財産がある場合、贈与を受けた時の評価額を相続財産に加算しなければならないという制度です。ポイントは相続や遺贈で財産を取得した人が対象となるところです。つまり、孫が相続や遺贈により財産を取得しない場合、この制度の対象愛となります。さらに、世代を1世代飛ばすことにより相続税の負担も1回飛ばすことができるのです。

生前贈与をお考えの方は、半田みなと法律事務所までお気軽にご連絡くださいませ。