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2023.10.06 労働問題(個人)企業法務労働問題(法人)

営業秘密の保護

営業秘密の保護

営業秘密の保護について解説いたします。

営業秘密

企業には、技術情報や顧客情報、重要な経営情報もあれば、あえて特許を取得せず非公表にしているノウハウなど、同業他社に知られたくない情報がたくさんあります。しかし、情報は容易に漏洩してしまい、一度漏洩すると、拡散してしまう可能性が高いです。秘密情報が漏洩しないように人的・物的な設備整備し、厳格に管理することによって情報が秘密情報であることを明確にしておく必要があります。

不正競争防止法では、営業秘密を「秘密として管理されている生産方法、販売方法、その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」と定義しています。不正競争防止法の「営業秘密」に該当するためには下記の3つの要件を満たす必要があります。

秘密管理性

営業秘密として保護されるためには、秘密として管理されていることが必要であり、主観的に秘密にしておく意思があるだけでは足りず、客観的に秘密として管理されていると認められる状態にあることが必要です。すなわち、営業秘密を保有した企業が行った秘密管理措置により、従業員等に明確に示され、その結果、従業員等が秘密管理意思を容易に認識できる必要があります。営業秘密措置の対象者は、情報に接することのできる従業員等であり、情報が秘密であって、一般情報とは取扱いが異なるべきという規範意識が生じる程度の取り組みを行っていることがポイントとなります。

有用性

営業秘密として保護されるためには、事業活動に有用な技術上又は営業上の情報でなければなりません。製品の設計図や製法等の生産方法に関する情報や、顧客名簿や販売マニュアル等の販売方法に関する情報は、有用性が認められます。また、失敗したデータ等も、今後の失敗の防止に役立つ場合や原因分析によって成功につながる場合もあることから、有用性が認められると考えられています。一方、企業による脱税、贈賄、談合との情報が漏洩した場合には、不正競争防止法による保護に値せず、有用性が認められないとされています。

非行知性

営業秘密として保護されるためには、公然と知られていない情報、すなわち、非公知の情報でなければなりません。非公知の状態とは、刊行物やインターネット等に記載されていないなど、一般的に入手することができない状態にあることを意味します。

民事上の措置

営業秘密に関する不正競争行為に対しては、差止請求が認められています。営業秘密の継続的な不正使用に対する差止請求権については、3年の短期消滅時効と20日間の除斥期間が定められています。営業秘密の不正使用が継続する場合には、営業秘密の保有者が不正使用の事実および不正使用者を知った時から3年以内に差止請求権を行使しないときは、差止請求権は時効により消滅してしまいます。また、不正使用の開始時から20年を経過した場合も、差止請求権を行使することはできません。
さらには、損害賠償請求もできますが、不正競争防止法に定められた消滅時効等によって差止請求権が消滅した後の営業秘密の使用行為については損害賠償請求権が生じないとされています。また、不正競争行為によって営業上の利益が侵害された場合には、信用回復措置を請求でき、内容についての限定は特になく、新聞への謝罪広告の掲載や取引先への謝罪文の配布等を行わせることができます。

刑事上の措置

営業秘密に関する不正競争行為のうち、悪質性が高いものについては刑事罰の対象としています。営業秘密の転得者の処罰範囲の拡大や未遂処罰規定の導入により規制対象が拡大されるとともに、罰金刑の上限の引き上げや非親告罰化により制裁が強化されています。

秘密保持義務・競業避止義務

在職中の対応

労働契約に付随する義務として秘密保持義務・競業避止義務が認められています。違反した場合、懲戒処分や退職金の減額・不支給の制裁を課すことが考えられ、全従業員に適用させるためには、就業規則に定めておくことが必要となります。就業規則には、秘密情報の範囲については別途指定できると定めた上で、各従業員に対して、適切な時期に、個別の誓約書を提出させることを検討します。入社時、部署間の移動時、プロジェクトへの参加時、退職時などが個別の誓約書を提出させる時期として考えられます。なお、取締役は、在任中、競業避止義務のほかに、忠実義務、善管注意義務を負っており、会社の内部事情について秘密保持義務を負っています。

退職後の対応

退職後の従業員は、すべての営業秘密について秘密保持義務を負うわけではなく、秘密保持義務を負わせるためには原則として契約上の根拠が必要になります。退職者による情報漏洩を防止するためには、退職時に適切な内容の誓約書を作成することが重要です。また、取締役は、退任後、原則として競業避止義務を負わないため、営業秘密をより確実に守るためには、取締役の退任時に契約を締結したり、契約書を提出させることが望ましいでしょう。

秘密保持については、半田みなと法律事務所へ気軽にご相談ください。