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2023.01.26 企業法務

出資法と資金調達先

出資法と資金調達先

出資法

出資金等の受入れに際しては、出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)上の規制に注意しなければなりません。
出資法は1条で、不特定多数の者に対して、後日、出資の払い戻しとして出資金の金額以上の金銭を払い戻すこと等を示して出資金の受け入れをすることを禁止しています。出資は本来元本の払い戻しが保証されないことを本質とし、出資法1条の趣旨は、そのような事態を未然に防止するべく誇大広告による出資金の受入れを禁止することにあると言われています。また、出資法は2条1項で、「他の法律に特別の規定のあるものを除く外、何人も業として預かり金をしてはならない」として、業として預かり金をすることを禁止しています。一般大衆の財産を保護し、社会の信用制度や経済秩序を維持することを目的とした規定と理解されています。さらには、出資金の受入れ制度や預り金の禁止の違反に対して、出資法は、行為者に対して3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金を罰則としています。

資金調達先

金融機関

金融機関とは、一般的には、銀行、証券会社や保険会社を指します。各金融機関によって特徴があり、創業者・起業家としては、融資金額や金利の高低、担保・保証の要否などに着目し、各金融機関にどのような商品を提供してもらえるかを理解できるとよいでしょう。

政府系金融機関

日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などであり、比較的多くの創業者向けの融資制度を用意しています。調達できる金額は、市中銀行の商品に比べると少ないですが、信用金庫等の商品に比べると多いです。利率は、相対的に低く、また、担保・保証を原則として不要とする(法人の場合の代表者保証も不要とする)商品も扱っています。

信用金庫・信用組合

信用金庫・信用組合の創業者向けの融資制度で調達できる金額は、市中銀行や政府系金融機関の商品に比べると少ないことから、個人事業主を含め、より小規模事象者向けのものといえます。利率は、政府系金融機関の商品と同程度かやや高めで、また、担保や保証を原則として不要とする商品もあるが、法人向けの商品は代表者個人の保証を求めるのが通例です。また、信用金庫や信用組合は、会員向けの組織であるという性質上、融資を受けるには通常会員であることや会員の紹介等が必要となります。

市中銀行その他

年銀行や地方銀行などの市中銀行が用意している創業者向けの融資は、より大きな金額の貸付もカバーできるが、利率は高めになる傾向にあります。信用金庫や信用組合と同様、担保や保証を原則として不要とする商品もあるが、法人向けの商品で代表者個人の保証を求めるのが通例です。

各金融機関から融資を受けるにあたっては、金融雨機関との取引全般に共通して適用される基本約定書の締結を求められるのが通例です。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは、創業段階を含め、比較的起業から期の浅い事業体向けに、リスクマネーを供給する重要な役割を果たしています。出資持分の価値の値上がり益(キャピタルゲイン)の享受を期待できる半面、事業が失敗すれば出資の払戻しを受けられなくなるリスクを内包しており、投資目的でのハイリスクハイリターンの資金提供であります。

個人(エンジェル投資家)

創業段階の事業者に対して資金を提供する個人投資家を指す用語として「エンジェル投資家」という呼称が使われています。最近では、クラウドファンディングの認知度の広がりもあり、個人投資家が起業家向けのリスクマネーの供給主体として以前よりも着目されつつあります。金融機関やベンチャーキャピタルに比べて、個人投資家の取引単位あたりの提供金額は小額にとどまるのが大半であり、多額の初期投資を要する事業では適さないでしょう。