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2022.12.10 交通事故・労災

交通事故・弁護士費用特約とは

交通事故・弁護士費用特約とは

弁護士費用特約とは

弁護士に依頼する際に必要となる着手金や成功報酬、法律相談料などの弁護士費用を保険会社が補償してくれる特約のことです。交通事故にあい、弁護士に依頼しようとすると、通常は法律相談料・着手金・成功報酬といった弁護士費用が発生します。任意保険と一緒にこの弁護士費用特約に加入していれば、上限の範囲内ではあるもののこれらの弁護士費用を保険会社が負担してくれるのです。弁護士費用特約は、加入する自動車の任意保険のオプションとして付帯できることが多いですが、医療保険や火災保険などにも付帯されていることがあります。一度ご自身が加入されている保険の内容を確認してみるとよいでしょう。

弁護士費用特約では、弁護士への相談料が10万円、弁護士への報酬、示談交渉などの弁護士費用の総額300万円を上限に支払われるものが一般的です。つまり、弁護士費用が300万円の金額の範囲内であれば、被害者の方は弁護士費用を原則自己負担なしで弁護士に依頼することができます。重大事故などの場合を除いて、弁護士費用が300万円を超えるケースはほとんどないので、弁護士費用を負担することなく、示談交渉や裁判を進めることができます。

弁護士特約のメリット・デメリット

メリット

弁護士費用特約は契約者以外の家族も使える

弁護士費用特約を利用できるのは、保険契約者(記名被保険者)だけではありません。ご本人が契約をしている保険でなくても、被害者の方の配偶者や別居をしている未婚の子など、親族が加入していることで弁護士費用特約が適用されることもあります。
具体的には、弁護士費用特約の補償対象者は以下の人物にまで補償の範囲が及ぶ可能性があります。

・契約者
・契約者の配偶者(内縁の者・同性パートナーを含む)
・契約者またはその配偶者と同居の親族
・契約者またはその配偶者と別居の未婚の子
・契約している車に搭乗していた者
・契約者と契約者の配偶者に該当しない契約している車の所有者
※保険会社によって若干の違いがありますので、詳しくは保険約款をご確認ください。

依頼する弁護士は自分で自由に選べる

弁護士費用特約を利用する際には、弁護士はご本人が自由に選ぶことができます。保険会社から弁護士の紹介を受けることがありますが、紹介された弁護士に必ず依頼しなければならないわけではありません。どの弁護士に依頼をするのかは、ご本人が自由に決めることができます。弁護士費用特約では、弁護士に相談する費用も合計10万円まで負担してもらえます。ご自身が納得のいく、信頼できる弁護士に依頼できるのも弁護士費用特約のメリットといえるでしょう。

過失があっても利用できる

弁護士費用特約は、過失がある場合には利用できないと誤解されますが、契約者の過失割合が0%の場合はもちろんのこと、たとえ過失が99%であっても、相手の1%分の責任を追及するために弁護士へ依頼するのであれば、弁護士費用特約を利用することができます。つまり、特約が使えない場合はほぼありません。(ただし、車の事故において過失割合100:0で自分が加害者になるような場合は、弁護士費用特約を利用することができません。)

物損事故でも利用できる

弁護士費用特約には物損事故もカバーされているので、物損事故でも特約を利用することができます。物損事故の場合、示談金がそこまで高くならないため、弁護士費用の方が高くなる場合がありますが、特約に加入していれば弁護士費用の心配をすることなく、少額の争いでも弁護士に依頼することが可能です。

保険の等級は下がらない

特約を利用した場合、「車両保険を利用した場合と同様に等級が下がり、保険料が高くなるのでは?」と心配されている方もいるでしょう。しかし、特約を利用しても保険の等級は下がらないのが一般的です。そのため、保険料の値上がりを気にせず、必要があれば気軽に特約を利用することができます。

デメリット

年間の保険料がかかる

弁護士費用特約は保険のオプションのひとつであり、その分の保険料を保険会社に支払う必要があります。もし自動車保険に加えて特約も契約しようとすると、年間1000円~3000円程度保険料がかかります。しかし、弁護士費用特約は条件を満たす家族も補償範囲になるので、家族の誰かひとりの保険に付帯されていれば、弁護士費用特約を利用できる可能性があります。もちろん弁護士に依頼した場合にかかる費用は弁護士によって異なりますが、もしものときのことを考えれば、特約を付けておいても損はないと思います。

補償の上限額を超えた分は自己負担になる

弁護士費用特約の補償額には、相談料10万円、弁護士費用300万円といった上限が定められています。弁護士費用が特約の補償上限額を超えることは少ないですが、この上限を超える金額については、被害者の自己負担となります。

自動車にかかわらない事故は対象外となることも多い

特に自動車事故型の弁護士費用特約では、自動車に関する事故のみを補償の対象としているため、車による事故でないものは補償の対象にならないことが多いです。あくまで対象となるのは、車が衝突された、歩行中に自動車にはねられたといったケースに限られます。自転車同士の事故や歩いていて自転車にぶつかられたなど、日常生活上の事故については補償対象とならないことが多いです。

弁護士特約の注意点

特約を利用するのに保険会社の事前承認が必要

弁護士費用特約を使うのには保険会社に事前に申し出て承認を得る必要があります。弁護士費用特約の規定に則って利用しないと、自己負担が発生するケースもあるので注意しましょう。できるだけ早く交渉を進めたいという気持ちはあると思いますが、余計な費用を負担したくないのであればきちんと事前に承諾を得ましょう。

家族で補償が重複する可能性がある

家族で複数の車を持っている場合、すべての車に弁護士費用特約を付けると補償内容が重複して保険料の無駄払いとなってしまいます。弁護士費用特約は、記名被保険者(主な運転者)に加えて、配偶者、同居親族、別居の未婚の子も対象としている場合が多いです。家族で複数の車を持っている場合にはどれか1台に弁護士費用特約を付ければ十分です。ただし、弁護士費用特約の補償範囲は保険によって異なる点には注意しましょう。

事故後に契約しても補償されない

弁護士費用特約は、交通事故後に加入しても補償の対象にならないので注意しましょう。事故後にトラブルが起こり、弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼したいと考えたとしても、契約前に発生した事故については補償を受けられません。もし、交通事故後に弁護士費用特約を利用したいと考えた場合は、まず家族の保険に付帯されていないか確認しましょう。また、自動車保険だけでなく、火災保険やクレジットカードの特約で契約できる場合もあるので付帯されていないか確認してみましょう。

弁護士特約を使った事例/ケース

もらい事故の被害にあった場合

「停車中に後ろから追突された」「青信号で交差点に進入したところ、信号無視で交差点に進入してきた車に衝突された」「対向車がセンターラインを越えて突っ込んできた」などの自分の過失割合が0%となるもらい事故では、自分の過失がなく加害者への賠償が発生しないため、自分が契約する保険会社が事故の相手との示談交渉を行うことができません。もらい事故の場合、被害者側に事故相手への損害賠償責任が発生しないため保険会社は事故とは無関係の立場にあり、賠償金の支払い義務がない状況において、保険会社が報酬(保険料)を得る目的で示談交渉をするのは、弁護士法第72条に違反してしまうからです。
そのため、もらい事故の場合は事故相手との示談交渉は自分自身で行うか、弁護士に依頼することになります。自分で交渉できるのであれば問題ないですが、相手となるのは示談交渉に慣れている保険会社です。保険会社の担当者がシビアな交渉をしてくるでしょう。素人が交渉するには不安なうえ、丸め込まれたり、不利な提示をされても反論できなかったりするリスクが考えられます。保険会社が提示してくる賠償金は、相場の半分~3分の1程度であることが多く、自分で交渉しても十分な金額まで増額させるのは非常に困難でしょう。また、弁護士への相談や委任は弁護士費用特約がなくてもできますが、高額な弁護士費用を自費で払う必要があります。

もらい事故は自分がいくら気を付けていても相手側の不注意で起こってしまうものです。弁護士費用特約に加入していれば、弁護士に交渉の依頼や相談を行うことができるので、示談交渉を行う上での負担を大きく軽減することができます。万が一に備えて弁護士費用特約の契約があると安心できるでしょう。

相手が無保険で交渉に応じてくれない場合

交通手段として毎日のように利用している車ですが、全ての車が任意保険に加入しているわけではなく、無保険で公道を走っている車も少なくありません。相手が任意保険に加入していない場合、過失割合や損害賠償に関することを当事者同士で話し合いをしなくてはなりません。その場合、相手方が過失を認めなかったり、水準よりはるかに低い賠償額を提示してきたり、請求に応じないこということも考えられます。弁護士費用特約に加入しておけば、弁護士に交渉を任せることができる上、面倒になって交渉の場で妥協してしまうリスクも防ぐことができます。

事故による被害が小さい場合

むちうちや打撲などの比較的軽いケガを負った事故、治療期間が1ヶ月未満の事故のような、事故による被害が小さい場合、相手に請求する賠償金の額も小さくなります。そのため、弁護士に依頼すると弁護士費用の方が請求金額よりも高くなり「費用倒れ」になってしまう可能性があります。そうならないためにも、弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用を保険でまかなえるので、被害が小さい場合でも費用倒れの心配もなく弁護士に依頼することができます。

事故による被害が大きい場合

半年以上通院が必要な事故や後遺障害が残る事故、または死亡事故などのように事故による被害が大きい場合、賠償金も高額になり、弁護士費用も高くなります。賠償金が高額になる事故では、相手方もシビアな示談交渉に臨んできます。高額になった弁護士費用が差し引かれることで、手元に残る金額も大幅に減ってしまうことになるでしょう。弁護士費用が不安で依頼をためらってしまう被害者の方もいると思いますが、弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用の大部分を保険会社が負担してくれるので、安心して弁護士に依頼することお勧めします。

※弁護士費用特約は、飲酒運転、無免許運転、故意による事故、重過失による事故、違法薬物摂取や、事故以外の日常事故、台風、洪水などの天災による事故、事業用自動車の事故など、事故の状況次第では使えない場合があるので注意が必要です。

弁護士特約を使用すれば費用を抑えることができます

交通事故の被害に遭い、大きなストレスを受けている中で、ご自身で加害者側の保険会社と交渉を続けることは、さらなる精神的負担となることでしょう。特約を使って弁護士に依頼すれば、加害者が加入している保険会社とのやりとりはすべて弁護士が代理して行いますので、ご自身で交渉をしたり、書面を作成したりするなどの煩わしさから解放されます。また、自賠責基準よりも大きな金額の賠償金を受け取ることができ、早期解決へとつながります。万が一のときに、お金の心配をせず弁護士に依頼し、日常生活に早期に復帰できたり、相手方から受け取る賠償金が増えたりするのは、弁護士費用特約の大きなメリットです。

半田みなと法律事務所では、交通事故の相談を無料でお受けしております。弁護士費用特約に加入していれば、弁護士への依頼を自己負担なく行うことが可能です。お気軽にご相談ください。
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