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2022.12.20 交通事故・労災

レンタカー・リース車の交通事故

レンタカー・リース車の交通事故

レンタカーの事故

レンタカー会社が免許証により申込者が運転免許を有することを確認し、使用時間、行先を指定させその走行距離・時間に応じた料金を定め、その変更や違約の場合の内容や、燃料費・修繕費の負担等に関する合意をして契約を締結したうえで自動車の利用を許していることから、レンタル中のレンタカーにもレンタル会社の運行利益および運行支配が認められています。したがって、レンタカー会社は、運行供用者責任を負います。たとえ、又貸しや返還期間を過ぎたレンタカーであっても、車の所有者であり、借主を介してレンタカーを支配しているため、運行供用者責任を負うことになります。責任を免れる場合は、いずれの事案でも、レンタカー会社は借主に返還の督促をするだけでなく、警察署に赴き、借主の住所地を訪問するなど返還に向けた行動をしており、これらを考慮して裁判所は「もはや本件車両の運行を指示、制御し得る立場を失っていた」と判断します。期限経過後の時間の長短だけでなく、そのレンタカーの運行が社会に害悪を及ぼさないように監視・監督すべき者としての適切な努力を尽くしていたかも重要な判断材料としていると思われます。

リース車の事故

車のリース契約は、顧客の設備投資のための金融である「ファイナンス・リース」と呼ばれるものと、その顧客だけでなく別の顧客にも順次その自動車(リース車)を利用させることが予定されている「オペレーティング・リース」と呼ばれるものがあります。後者は、レンタカー契約に近くなります。リース会社の運行供用者責任を検討する場合は、その自動車のリース契約が、ファイナンス・リースか、オペレーティング・リースかを検討することが必要です。したがって、実態が金融であるファイナンス・リースでは、もともとリース会社がリース車を使用することは想定しておらず、リース車の管理も金融の担保としての管理でしかないとされますから、運行供用者責任は原則として否定されます。リース会社に運行供用者責任が認められるためには、保守管理に関するメンテナンスサービスが契約条項に含まれている程度では足りず、リース会社がその自動車を管理できる条項が含まれていたり、リース会社と顧客が完全子会社の関係にあるような事情が認められることが必要と考えられます。