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2026.05.22 交通事故・労災

交通事故で補償をより多く受けるには?人身傷害保険と対人賠償保険

交通事故で補償をより多く受けるには?人身傷害保険と対人賠償保険

交通事故に遭った場合、補償を受けられる保険にはさまざまなものがあります。自賠責保険、加害者が加入している対人賠償保険、被害者が加入している人身傷害保険、健康保険、労災保険などの中から、自分のケースに適した保険から補償を受けることが重要です。

複数の保険に補償を請求する場合、受け取る順番によって受領総額が変わってきます。また、保険会社への請求は、場合によっては裁判に発展することもあるため、慎重に検討する必要があります。確実により多くの補償を受け取るためには、法律の専門家である弁護士の力を借りるのも賢い手です。

今回は、被害者が加入している「人身傷害保険」と加害者が加入している「対人賠償保険」について解説。人身傷害保険とはどんなものかご紹介し、人身傷害保険と対人賠償保険のどちらを先に受け取るべきかをケースごとに見ていきます。

人身傷害保険とは

人身傷害保険は、任意保険の特約の一つです。人身傷害保険に加入している方が交通事故の被害者になった場合、契約内容によって算定された保険金を受け取ることができます。損害賠償請求とは異なり、あくまでも契約による支給であるため、その支給条件や金額は契約内容によって異なります。

加害者が加入している対人賠償保険との大きな違いは、人身傷害保険を上手に使えば、被害者に過失があった場合でも、損害に対して100%または限りなくそれに近い水準で保険金が支払われる点です。ただし、被害者に過失があるかどうか、また、人身傷害保険金と対人賠償保険金のどちらを先に受け取るかによって、受け取れる金額が大きく違ってきます。

交通事故で人身傷害保険と対人賠償保険、どちらを先に受け取るべき?ケースごとに解説!

人身傷害保険と対人賠償保険から、より多くの保険金を受け取るためには、どちらを先に請求すべきなのでしょうか。被害者に過失がある場合とない場合に分けて解説します。

被害者に過失がない場合

この場合は、人身傷害保険会社と対人賠償保険、どちらが先でも差異はありませんが、対人賠償保険から先に受け取る方がいいでしょう。なぜなら、人身傷害保険会社の損害算定基準は、対人賠償保険より低く設定されている場合が多いからです。

人身傷害保険会社から先に保険金を受け取ると、損害算定基準が低いため、治療費などの損害の全額が支払われない可能性があります。その不足分を対人賠償保険に対して請求することになり、請求の手続きが2回必要になってしまいます。

被害者に過失がある場合

人身傷害保険から先に受領する場合

この場合は、被害者が得られる損害賠償額を最大化しようとすれば、ほぼ確実に裁判が必要となります。具体的な例で説明しましょう。

例えば、被害者の損害が裁判基準で100万円、人身傷害保険基準で40万円、過失割合は、被害者3:加害者7だとします。本来であれば、過失割合を考慮して、100万円×70%=70万円の補償を請求できる計算となります。

先に人身傷害保険会社に請求すれば、基準の40万円が支払われます。その後、対人賠償保険会社に請求した場合、過失割合を考慮して70万円-40万円=30万円を支払う旨の回答が来るのが通常です。

しかし、結論から言えば、人身傷害保険会社から40万円を受け取った後に対人賠償保険会社に60万円を請求できます。つまり、損害100万円・過失3割であれば、70万円しかもらえないはずが、人身傷害保険を利用すれば100万円もらえることになるのです。

現在の運用に従えば、人身傷害保険会社から支払われた40万円は、先に被害者の過失部分(3割部分の30万円)に充当されることになります。加害者との関係で損益相殺の対象となるのは、残額10万円だけです。

そのため対人賠償保険会社は、70万円から10万円を差し引いた60万円の支払いをする必要があり、被害者は、人身傷害保険会社から支払われた40万円と合わせて100万円の支払いを受けることになります。結果として、全損害100万円の填補を受けられるのです。この運用は最高裁によって判断されたため、裁判基準差額説と呼ばれています。

しかし、示談交渉ではこのようにいかず、裁判が必須となってしまいます。その理由としては、対人賠償保険会社が裁判基準差額説について知らない場合が多いことが挙げられます。加えて、人身傷害保険会社が被害者に対する保険金の支払いをした時点で、自賠責保険に対して本来の範囲を超えて求償し、それが支払われてしまっているという現実があるからです。

自賠責保険の取り合いの結果、示談ではうまくいかずに被害者の不利益となり、裁判が必要となることがほとんどです。

対人賠償保険から先に受領する場合

この場合でも、全損害の補填を実現しようとすれば、裁判が必要になります。

先ほどの例で言えば、まず対人賠償保険会社から70万円を回収します。そして、人身傷害保険会社に対して30万円を請求しますが、その通りに支払われることはありません。なぜなら、人身傷害保険会社には独自の損害算定基準があり、先ほどの例の場合40万円ですので、すでに対人賠償保険会社から70万円を受け取っているならば、それ以上支払うものはないからです。

訴訟を起こし、その裁判で総損害額が100万円となれば、すでに対人賠償保険会社から受け取っている70万円を差し引き、人身傷害保険会社から30万円が支払われる形となります。

過失払条項

現在では、多くの人身傷害保険約款において「過失払条項」が設けられています。これは、人身傷害保険会社基準で算定した総損害額に、被害者の過失割合を考慮した金額が支払われるものです。

この条項の良いところは、裁判を経る必要がない点です。加害者に対する求償が生じず、加害者との間での損益相殺の問題が生じないからです。

交通事故による補償に強い弁護士からサポートを受けるのが鍵!

交通事故に遭った場合には、受け取る補償を最大化するにはどの保険からどの順番で請求すべきか、よく考える必要があります。しかし、ケガの治療を受けながらそこまで考えて効率的に動くことは難しい場合も少なくありません。補償に関する手続きを専門家に相談したり任せたりすることで、精神的・身体的な負担を減らしながら、より多くの補償を受け取ることができ、安心して治療に専念することができるでしょう。

半田みなと法律事務所は、交通事故や労災保険に強く、知多半島全域、碧南市、西尾市、高浜市などで解決事例も豊富です。初回は30~60分の無料法律相談も行っております。少しでもお力になれたらという思いから、労災についてのご依頼や交通事故の被害者の方からのご依頼では、着手金をいただいておりません。まずはお気軽にご相談くださいませ。