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2023.01.07 詐欺被害・消費者被害

ネットショッピング

ネットショッピング

 ネットショッピング購入後のトラブル

商品説明ページに異なる写真が掲載され、写真の商品を購入するつもりで商品購入契約を締結した場合、売主に対して、多くの場合において、錯誤無効に基づく返品・代金返還請求ができるものと考えられます。

インターネットショッピングで、返品・代金返還を請求できるか

一般的な契約では、意思表示の要素に錯誤があれば原則として契約は無効ですが、表意者に重過失があれば無効主張はできないとされています。電子消費者契約ではこれが修正されています。消費者が、電子消費者契約の申込み・承諾の意思表示を行う意思がなかった時、または、異なる内容の意思表示を行う意思があった時は、事業者が確認を求める措置を講じた場合や、消費者自らが確認を求める措置を不要とする意思を表明した場合を除き、重過失の有無を問わず、消費者は錯誤無効を主張することができるとされています。錯誤無効を主張できない場合でも、インターネットショッピングは、特定商取引法上の「通信販売」に該当するため、返品特約や法定返品権に基づき、返品・代金返還を請求できる場合があります。

返品特約について

従来、特定商取引法では、その有無・内容を表示することが義務付けられていましたが、返品特約の表示が欠けていたり、分かりにくかったりすることも多く、その場合に返品が認められるのか解釈の対立もあるなど、返品に関するトラブルが多くありました。そこで、所定の方法により返品特約を表示しない限り、法律上の権利として返品を可能にする規定が新たに追加され(法定表示した価格1,000円は、本当は100,000円の間違いだった」として1,000円では売れないと言われた場合、購入ボタンをクリックした段階、及び、購入ボタンをクリックした後に承諾の意思表示ではない自動返信メールを受信した段階で、事業主から誤表示である旨の連絡があった場合は、契約が成立したとは認められないため、消費者はサイト上の表示である1,000円での購入を請求することはできません。また、大まかな価格相場がある商品について1桁違う価格が表示されているなど、消費者が価格誤表示について認識していた場合には、価格誤表示について事業者に重過失があったとしても、1,000円での購入を請求することはできなくなります。

モール運営者の責任

インターネット商取引のうち、①企業が自身でサイトを開設・運営している直販型と、②別の事業者が提供しているインターネット商取引のための場、いわゆるモール型ネットショッピングサイトを利用して行うモール型の2つに分けることができます。直販型においては、企業が取引の主体であり、詐欺行為や債務不履行、偽物が販売されている場合などでは、当該企業から商品を購入した顧客や商標権者は、当該企業に対して責任を追及することになります。これに対して、モール型ネットショッピングサイトにおいては、企業以外にもモール運営者が一定の役割を果たしていることから、モール運営者に対しても責任を追及できるのかが問題になります。顧客は、モール型ネットショッピングサイトにアクセスした上で、商品を販売している出店者から商品を購入することになります。そのため、商品の売買契約は、出店者と顧客の間で成立します。商品の売主はあくまで出店者ということになり、出店者が顧客に詐欺行為や債務不履行をした場合、原則として、出店者が責任を負い、モール運営者が責任を負うことはありません。
モール運営者においては、モール運営者が取引の相手方であるという誤認を生じないように注意することが必要です。具体的には、①モールの利用規約において取引の相手方は個々の出店者であることを明示しておくこと、②商品広告や購入画面などにおいて、当該取引の主体である出店者が明示されるようにしておくことなどが重要です。