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2023.02.27 借金・債務整理

FXによる借金で自己破産はできるのか

FXによる借金で自己破産はできるのか

今回はFXによる借金で自己破産についてコラムをご紹介したいと思います。

原則、自己破産できない

FX取引による借金は、免責不許可事由に該当するので原則自己破産できません。免責不許可事由とは、一定の事情がある場合に、裁判所から免責許可が出ない(つまり借金の免除が認めてもらえない)ことをいいます。破産法第252条第1項第4号で「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」と定められており、FX取引は、性質上その他射幸行為(賭博やギャンブル性の高い行為)に含まれると考えられています。そのため、FX取引は市場の価格変動を予測して売買する行為ですが、価格変動を予測することは困難であるという点で、ギャンブル性が高いと判断され、免責が認められません。

免責が認められれば自己破産は可能

上記で述べたように、FX 取引による借金の場合、原則自己破産できません。しかし、裁判所の裁量により免責される場合があります(裁量免責)。破産法252条2項で「前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる」と「裁量免責」について定めています。つまり、免責不許可事由に該当する場合であっても、諸般の事情を考慮の上、裁判官の裁量で免責が認められれば自己破産が可能になるということです。

FX による自己破産ができないケース

 

自己破産手続き中にFXを再開した

裁量免責の判断で重要視されるのは、債務者が借金を作ったことを十分に反省しており、生活再建に向けて誠実に努力できるかという点です。破産手続き中にもかかわらず、再びFXを始めてしまうと免責を受けられない可能性が高まります。もともとFXが原因で借金を作ったにもかかわらず、さらに再開してしまうと反省の色がないと判断され、裁判所からの印象は悪くなります。どれだけ裁判官に反省の態度を示せるかが大切で、きっぱりと辞める必要があります。

FX以外にも複数の免責不許可事由がある

FX以外の仮想通貨、株式投資、宝くじの購入、パチンコなどのギャンブル行為、浪費行為も免責不許可事由に該当します。免責されるか否かの判断は、本人が借金をしたことについて反省し、改善の余地があるかが大きく関係します。FXをやめても異なる投資やギャンブルなど複数の免責不許可事由がある場合、裁判官の印象が悪くなり、裁量免責を受けられない可能性が高くなります。

過去7年以内に自己破産している

前回の自己破産から7年が経過していなければ、再度自己破産の申し立てをしても免責は認められません。そのため、過去7年以内に自己破産をしている場合は、今回の自己破産が認められることはありません。前回の借金の理由がFXと限らず、7年以内に再び免責を申し出るということは、前回の免責から経済状況が改善していない、あるいは反省していないと捉えられてしまいます。

過去にもFXで自己破産したことがある

前回の自己破産から7年が経過していても、以前と同じ免責不許可事由があると再度の裁量免責は難しくなります。過去にも自己破産をしており、同じ原因で自己破産を繰り返すということは、反省の色が見られないとして、裁量免責を受けられない可能性が高くなります。ギャンブルや先物取引、株投資などもFXと同様の借金とみなされるため、前回の借金の原因がこれらに当てはまる場合は注意してください。

財産を隠している

自己破産では「財産隠し」を厳しく禁止しています。一定額以上の財産がある場合、自己破産が認められない可能性があります。自己破産は、最低限の財産を残しそれ以外の高額な財産はできる限り現金化し、債権者への返済に充てる義務があります。隠し財産を裁判所に報告しない、土地や車などの財産を配偶者や子ども・親名義にする、口座の名義を変更する、預金残高を他人の口座に送金する、不動産の登記名義を他人に変えるなどの行為は、悪質な「財産隠し」に当たります。財産を失いたくないからといって「財産隠し」を試みても、破産管財人が徹底して調査するため、ほとんどのケースでバレてしまいます。

特定の人や業者にだけ返済している

自己破産では、全債権者を平等に扱わなければならないという「債権者平等の原則」があります。債権者へは公平に支払いをしなければならず、複数の借入先がある場合、返済状況によっては自己破産が認められない可能性があります。複数の借入先のうち一部だけ完済した、迷惑をかけたくないので友人からの借金のみを完済した、車を手放したくないので自動車ローンだけ完済したという状況は偏頗弁済に該当し免責は認められません。自己破産が認められるためには、債権者へは公平に支払いをする必要があります。

半田みなと法律事務所では、自己破産についてのご相談を無料でお受けしております。お一人で悩まず、ご連絡くださいませ。