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2026.04.23 離婚・男女問題

【離婚】医師・医療従事者に特有の問題点とは?財産分与での注意点

【離婚】医師・医療従事者に特有の問題点とは?財産分与での注意点

医師や医療従事者は他業種の方と比較すると収入が高く資産が多い傾向がある一方で、業務の多忙さなどにより離婚率が高いというイメージを持つ方も多いようです。

今回は、医師をはじめとする医療従事者の主な離婚理由や、高収入ゆえに争点となりやすい財産分与での注意点について解説します。また、開業医の場合には配偶者を雇用していたり医療法人の理事にしていたりするケースも少なくありません。雇用や委任契約についてもご説明します。

医師や医療従事者の主な離婚原因とは

医師や歯科医師など医療従事者の業務や環境は、他の業種と比較しても特殊であると言えます。医療従事者が離婚に至る原因として多いものをご紹介します。

業務の多忙さ

医療従事者の仕事には、患者の健康や生命と向き合う責任や緊張感が伴います。長時間労働や夜間の急な呼び出し、休日出勤なども珍しくないため、家庭や夫婦関係に時間を割くことが難しい状況になることも少なくありません。

配偶者が医療従事者でない場合には、医療業界の不規則な勤務体系への理解を得られないこともあり、夫婦間の会話が少なくなっていくことに不満が出てくることもあるでしょう。この不満の蓄積が夫婦関係のすれ違いに発展し、離婚に至るケースもあります。

子どもへの教育方針の違い

代々医師を輩出してきた家系では、自分の子どもも医師に育てたいと考える方も少なくありません。特に開業医の場合は、自身が経営するクリニックや診療所の跡継ぎとして教育するために、幼い頃から勉強の指導を厳しく行ったり学習塾に通わせたりすることも考えられます。

夫婦の一方がそのような教育方針に納得していない場合には、意見の食い違いが婚姻関係の継続に影響を与え、離婚の原因となることもあるでしょう。また、夫婦の両方が教育方針に同意している場合でも、医師家系の家族から子どもの教育に高い期待を寄せられ、心理的なプレッシャーに耐えられず離婚に至るケースもあります。

モラハラ

夫婦のどちらか一方が医師などの場合、社会的地位の高さや経済的な優位性からモラルハラスメント(モラハラ)が起こるケースもあります。加害者側の「自分が家族を養っている」という支配意識や、被害者が経済的に頼らなければ生活できないという状況によって、モラハラが常態化する可能性も低くありません。

相手の仕事を見下す発言や、金銭などを理由に配偶者をコントロールしようとする行動などはモラハラに該当します。このような行為が長期間に渡って見られる場合には「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当する可能性があり、裁判で認められる法律上の離婚理由となります。

不倫・浮気

不倫や浮気といった異性関係の問題の中でも「院内不倫」(職場での不倫)は、医師の離婚の原因としてよく見られるものです。

日本では女性医師より男性医師の割合が高く、病院やクリニックに在籍する看護師や医療事務は女性の割合が高い傾向があります。長時間職場で過ごすことが多い医師や看護師が、夜勤や緊急対応などの業務を通じて男女関係に陥ってしまうケースも散見されます。

経済的な自立

一般的なケースでは、女性が離婚を踏みとどまる理由として経済的な事情が挙げられます。特に子どもがいる場合にはなおさら、生活のために不満を抱えながら婚姻生活を続けるという結論を出す女性も少なくありません。

しかし妻が医師や医療従事者である場合、収入が高く経済的に自立しているため、離婚を妨げる大きな障害がありません。そのため、女性医師の離婚率は男性医師と比較すると高いものになっています。

医療従事者の財産分与の注意点

財産分与

夫婦が離婚する際には、婚姻期間中に協力して築き上げた財産を公平に分ける「財産分与」を行います。医師など医療従事者の場合は収入が高いケースが多く、さまざまな形で財産を所有していることもあるため、財産分与が大きな争点となる傾向があります。

基本的に財産分与では、預貯金、不動産、自動車、株などの有価証券、生命保険、退職金、高級なリゾートやゴルフの会員権などが分与の対象となります。医師の場合にはこれら以外にも分与の対象となる財産がある可能性もあるため、注意が必要です。

勤務医の場合、開業医の場合、医療法人の代表(理事長)の場合のそれぞれで、どのような点を確認する必要があるのか見ていきましょう。

勤務医

勤務医の場合、勤めている病院やクリニックから給与を支払われるため、一般的な会社員の離婚と同様の財産分与となります。ただし、医師は収入が高い傾向があるため、株式投資などの融資資産や不動産など、評価によって金額が変動する資産についてトラブルとなる可能性があります。

退職金についても財産分与の対象となります。原則として、勤務期間のうち同居していた期間に相当する金額の2分の1が分与されます。大学病院や大病院で勤務している場合には退職金が高額となることもあります。退職金がまだ支払われていない場合でも分与の対象となり得ますので、専門家である弁護士にも相談しながら必要な資料を取集しましょう。

開業医

個人事業主としてクリニックや診療所を経営している場合、一般的な会社員の場合よりも分与の対象となる財産が多くなるため、下記の資産で該当するものがあるか確認しましょう。

財産分与に含まれるもの
  • 事業用資産…医療機器・設備、建物、土地、車両、パソコンなど
  • 事業用資産に対応する事業ローン
  • 医師年金などの私的年金や小規模企業共済の婚姻期間中に積み立てた部分

婚姻期間中に形成した財産は分与の対象となるため、婚姻中に取得された事業用資産やそれに伴うローン、各種私的年金制度の掛け金に相当する部分は財産分与に含めることができます。不動産や自動車は評価方法によって金額が変動するため、評価額が争点となる場合もあります。

分与割合の調整について

財産分与は夫婦それぞれ2分の1ずつ分け合うのが原則ですが、開業医の場合には配偶者の事業への寄与度や経営の継続性などを考慮して分与割合が調整されることもあります。分与割合の調整の際には、開業医である医師の配偶者が経営や事務などの業務にどのくらい貢献していたか、事業資金と家計を分けて管理していたかなど、さまざまな事情をもとに判断されます。

医療法人の代表(理事長)

医療法人を経営している場合、不動産や医療機器などの事業用財産は法人名義の所有物とされ、夫婦の財産ではないため原則として財産分与の対象にはなりません。ただし、以下のような例外のケースもあります。

財産分与に含まれるもの
  • 配偶者が医療法人に経済的・経営的な支援をしていた場合
  • 法人の財産と個人の財産の区別をあいまいにしたまま使用している場合

上記のケースであれば共同財産と認められる余地があります。医療法人の財産を夫婦の財産として数えるべきかどうかは難しい問題となることもあるため、個別のケースを法的に分析するためには専門家である弁護士への相談が必要となるでしょう。

離婚の際には、子どもがいる場合の養育費や親権、婚姻費用など、財産分与の他にも取り決めるべき離婚条件があります。医師・医療従事者の養育費や婚姻費用、親権について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

医師・医療従事者の離婚で財産分与や親権はどうなる?注意点を解説

医師が配偶者を雇用している場合の問題

医療従事者

開業医や医療法人を経営する医師が、配偶者を自分のクリニックや法人で従業員として雇用したり理事にしたりしているケースも少なくありません。その場合、離婚に伴って医師から配偶者に対して解雇をすることはできるのでしょうか?ケースごとに見ていきましょう。

配偶者を従業員として雇用しているケース

配偶者が看護師や医療事務として働いている場合、雇用契約を締結した従業員という立場となります。夫婦間の離婚と労使間の契約はまったく別のものであるため、離婚する場合でも相手を一方的に解雇することはできません。

たとえ相手が不倫などの不貞行為をしていた場合でも、それだけを理由に解雇することは原則としてできません。従業員の解雇には職務上の事情に基づく事由が必要となりますが、その場合でも慎重な判断が求められます。労働契約法第16条により、客観的に合理的な解雇事由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は無効となるからです。

ただし過去の裁判では、同じ医療機関に不倫相手が従業員として在籍している場合、職場の秩序に影響が及ぶとして解雇を有効とした事例もあります。個別のケースについては専門家である弁護士に相談しましょう。

配偶者が理事のケース

配偶者を経営する医療法人の理事や役員などに登記している場合は、雇用契約ではなく委任契約となります。離婚を理由に理事を解任することはできませんが、正当な理由がある場合は臨時社員総会を開催し、決議が得られれば理事を解任することができます。決議を得るには全社員の過半数が出席し、出席した社員の過半数の賛成が必要です。正当な理由のない解任の場合は役員報酬について損害賠償を請求される可能性もあるため、慎重に判断しましょう。

もっとも、医療法人の理事には任期が定められているため、任期が満了した後に再任されなければ理事の地位は失われます。医療法人の理事の場合、任期は最長でも2年となっています。

医療従事者の離婚は早い段階から弁護士にご相談を

医師などの医療従事者の離婚手続きでは収入や資産が高額になることも多く、話し合いがまとまらないケースも少なくありません。財産分与の割合や財産の評価方法、配偶者の立場をどうするかなど、法的な整理が必要となる場面も多く出てきます。早い段階から専門家である弁護士に相談することでトラブルの拡大を防ぎ、スムーズな手続きが可能となります。

半田みなと法律事務所は、半田市をはじめ知多半島地域で離婚に関する法律相談を承っております。特に半田市には医療従事者の方が多いため、医療・福祉分野で従事されている方特有の問題への知識や経験が豊富な弁護士が在籍しており、離婚に関する問題を多く解決してきました。

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