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2022.12.06 交通事故・労災

子が起こした交通事故

子が起こした交通事故

未成年の子が交通事故の加害者になった場合

子が自己の行為の責任を弁識するに足りる知能(責任能力)を備えていない時は、加害者である子自身は損害賠償責任を負わず、法律上の監督義務者である親(親権者)が損害賠償責任を負います。責任能力は、自らの行為の責任を理解する能力であることから、何歳になれば備わるというものではなく、その不法行為の内容、具体的な発生状況、その未成年者の個別の判断能力等により判断されます。以前では、自転車での交通事故について、14歳で責任能力を否定した裁判例もありますが、最近では11~12歳程度で責任能力が備わるとされる傾向にあります。

未成年の子が責任能力を備え、子自らが不法行為責任を負う場合であっても、親にその事故の発生と相当の因果関係のある過失が認められるに場合は、親自身も不法行為責任を負います。すなわち、
①放任・放置しておけば当該加害行為が発生する蓋然性がある状況で、
②監督義務者が相当の監督をすれば加害行為の発生が防止でき、かつ監督を現実になし得たにもかかわらず、それを怠った場合に、親の監督義務違反の過失が認められるのです。

例えば、(1)親の監督・指示が問題になった、(2)子に前科・補導歴等があった、(3)子が運転に適さない状況にあった、という事案で親の不法行為責任を認めてものと否定したものがあります。(1)では、12歳の男子が夜間、塾からの帰り道に自転車で鬼ごっこをしながら走行中に起こした事故について、夜間に自転車で塾に通わせる両親には、口頭で自転車の運転に注意するよう指導するに止まらず、自転車の運転方法等を具体的に指導すべきであったとして、両親に不法行為責任を認めました。(2)では、19歳の子が自動二輪車を運転して起こした事故について、子は18歳の頃に恐喝の非行事実により保護観察に付され、本件事故以前にベルト装着義務違反により取り締まりを受けたことはあったが、交通事故を起こしたり、暴走や危険な運転行為により逮捕されたことはなかったことから、母親に運転状況を把握する注意義務はなかったとして、母親の不法行為責任を否定しました。(3)では、右足親指を骨折している、運転免許取得から1か月の18歳男子大学生が、父親が所有者として登録されている自動車で信号無視をして起こした事故について、父親は左足での運転方法を自ら積極的に教え、母親も左足で運転していること知りながら助手席に乗るなど、子が運転するのを放置していたとして、両親の不法行為責任を認めました。

また、未成年者である子が自動車事故を起こした場合は、親の運行供用者責任が問題となりますが、具体的な事案での判断は微妙であり、似た状況にあっても判断を逆にするものがあります。

例えば、19歳男子専門学生が原付自転車で起こした事故について、その原付自動車が子がアルバイトをして購入し、子のみが使用したものだが、両親と同居して扶養されており、その原付自転車は通学にも使用されていたことから、両親にその原付自転車の運行供用者責任を認めたものや、18歳男子予備校生が原付自転車で起こした事故について、その原付自転車は自宅に保管されていたが自ら購入したもので、小遣いとアルバイト代で免許を取得し、自賠責保険料もガソリン代等も負担していたことから、父親の運行供用責任を否定しているものがあります。

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